赤外線サーモグラフィ調査

赤外線
サーモグラフィ調査とは

温度は、手で物に触れたり温度計で測ることは簡単に出来ますが、温度の分布を調査することは極めて困難です。
サーモグラフィは温度の分布を調査することにより、建築物・構造物の剥離、漏水・滞水の有無、法面モルタル下の空洞調査等に応用できます。

赤外線サーモグラフィの定義

サーモグラフィ(赤外線映像処置[Thermal Video System])は、対象物からでている赤外線放射エネルギーを検出し、見掛の温度に変換して、温度分布を画像表示する装置あるいはその方法のことを言います。

赤外線
サーモグラフィの特徴

  • 特徴01 スピード可視化

    面の温度分布として捉え、可視化情報として表示できます。広い範囲の表面温度の分布を短時間で相対的に比較できます。

  • 特徴02 幅広い調査が可能

    対象物から離れたところでも、非接触で温度測定ができます。高所や危険で近づけないものでも簡単・安全(非接触・被破壊)に調査が可能です。

  • 特徴03 欠損箇所の可視化

    画像から視覚的に判断でき、再生・記録が容易できます。欠損箇所等を画像で視覚的に表示するので分かりやすくなっています。

  • 赤外線サーモグラフィカメラ
  • 撮影状況
  • 可視画像
  • 赤外線画像

欠損部の温度変化について

土木構造物、建築物の浮き、剥離、内部欠損等がある場合の温度変化

  • 健全な構造物への放射熱状態

    構造物に欠損等がなく健全な場合

    太陽からの放射熱は、外部から内部へと健全部では一様に熱の移動があります。

  • 剥離・空洞箇所への放射熱状態

    剥離・空洞などの欠損が認められる場合

    欠損部がある場合には、同量の熱があたるにもかかわらず欠損部の空隙部で熱の停滞が起こりその部分だけが高温となります。
    この表面の温度分布により、構造物、建築物の欠損箇所を視覚的に発見することができます。

  • 滞水箇所への放射熱状態

    剥離・空洞箇所に滞水が認められる場合

    欠損部等に滞水している箇所は、上記の空隙部に水分があり、表面の温度を低くします。
    その部分が赤外線画像では、温度が低くなります。

調査での留意点

  • 天候等により測定が難しい場合があります。雨天や強風の場合には測定が困難です。
  • 太陽光等のあたらない箇所(建物北面、橋梁床版下面等)の測定等は方位、対象物の面・向きにより調査方法、調査時間等の検討が必要です。
  • 調査対象前面に障害物があれば測定できません。
  • 色合い、汚れ部分等に留意が必要です。
  • 調査にはこれら留意点を熟知した赤外線サーモグラフィの資格を持った技術者が必要です。

調査の用途

建築物

  • 外壁 浮き 剥離
  • 屋上防水工 浮き・剥離
  • 漏水

など

土木構造物

  • コンクリート構造物の浮き・剥離・剥落
  • 橋梁
  • トンネル
  • 法面吹付モルタル

など

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